2010年11月03日 (水)
10月29日、米国司法省は、遺伝子特許に関して、画期的な判断を下した。
乳がんと卵巣がんのリスクと関連する遺伝子
乳がんと卵巣がんと密接な関連があるふたつの遺伝子BRCA1 、BRCA2は、Myriad Geneticsとユタ大学によって特許化されて、現在に至っている。
近親者にがんが発症し、このふたつの両方、あるいはどちらかの遺伝子を持つ女性は、乳がん、卵巣がんを発症する確率が高い。米国では、祖母、母親、姉妹などの近親者が乳がんを発症し、BRCA遺伝子を持つハイリスク女性の中には、たとえ、発症していなくても、また悪性腫瘍が見つかっていなくても、両方の乳房を全摘して同時再建する人が増えてきている。背景には、発症の不安を取り除くことができることと、健全な状態で同時再建したほうが、再建後の乳房の見栄えがよいことがあげられる。既に出産を経験ずみのハイリスク女性の中には、卵巣も同時に摘出する人もいる。
しかし、乳がん、卵巣がん患者、あるいはこの疑いのある人がこの遺伝子検査をすると、約3000ドルの費用がかかる。医療保険がカバーし、患者がほとんど負担しないケースが多いものの、米国では医療保険に加入していない人も珍しくない。また、検査前に医療保険会社の承諾が必要で、自動的にカバーされるわけではない。
特許商標局との見解の食い違い
司法省は、これまで、遺伝子関連について数千件にのぼるとみられる特許を認めてきた米国特許商標局(USPTO)の方針との矛盾を認めつつ、「ゲノムDNAは、単にヒトの身体から分離させたものであり、遺伝子を変化させたり、組み換えを行わない限り、特許の対象とならない」と発表。BRCA 1 、BRCA2は特許されるべきものではなかったと結論づけている。
遺伝子関連ビジネスへの影響
遺伝子の特許化については、医療費の高騰につながるだけでなく、研究開発の妨げになるという批判がある。今回の発表は遺伝子関連のビジネスに大きな影響を与えるとみられる。29日、司法省の発表の後、Myriadの株価は大幅下落した。
ちなみに、司法省の判断は、遺伝子分離は「発明」ではないとの今年3月のニューヨーク地裁の判決を支持するもの。Myriadとユタ大学は控訴中。
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2010/11/justice-department-raises-doubt-.html?ref=hp
乳がんと卵巣がんのリスクと関連する遺伝子
乳がんと卵巣がんと密接な関連があるふたつの遺伝子BRCA1 、BRCA2は、Myriad Geneticsとユタ大学によって特許化されて、現在に至っている。
近親者にがんが発症し、このふたつの両方、あるいはどちらかの遺伝子を持つ女性は、乳がん、卵巣がんを発症する確率が高い。米国では、祖母、母親、姉妹などの近親者が乳がんを発症し、BRCA遺伝子を持つハイリスク女性の中には、たとえ、発症していなくても、また悪性腫瘍が見つかっていなくても、両方の乳房を全摘して同時再建する人が増えてきている。背景には、発症の不安を取り除くことができることと、健全な状態で同時再建したほうが、再建後の乳房の見栄えがよいことがあげられる。既に出産を経験ずみのハイリスク女性の中には、卵巣も同時に摘出する人もいる。
しかし、乳がん、卵巣がん患者、あるいはこの疑いのある人がこの遺伝子検査をすると、約3000ドルの費用がかかる。医療保険がカバーし、患者がほとんど負担しないケースが多いものの、米国では医療保険に加入していない人も珍しくない。また、検査前に医療保険会社の承諾が必要で、自動的にカバーされるわけではない。
特許商標局との見解の食い違い
司法省は、これまで、遺伝子関連について数千件にのぼるとみられる特許を認めてきた米国特許商標局(USPTO)の方針との矛盾を認めつつ、「ゲノムDNAは、単にヒトの身体から分離させたものであり、遺伝子を変化させたり、組み換えを行わない限り、特許の対象とならない」と発表。BRCA 1 、BRCA2は特許されるべきものではなかったと結論づけている。
遺伝子関連ビジネスへの影響
遺伝子の特許化については、医療費の高騰につながるだけでなく、研究開発の妨げになるという批判がある。今回の発表は遺伝子関連のビジネスに大きな影響を与えるとみられる。29日、司法省の発表の後、Myriadの株価は大幅下落した。
ちなみに、司法省の判断は、遺伝子分離は「発明」ではないとの今年3月のニューヨーク地裁の判決を支持するもの。Myriadとユタ大学は控訴中。
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2010/11/justice-department-raises-doubt-.html?ref=hp
特許されていたから検査料がべらぼうに高かったなんて知りませんでした。私のBRCA2陽性が分かったのも、アメリカで加入していた医療保険が検査をカバーしてくれたからですが、自費だったら、あるいは日本で治療していたら、検査することは無かったっと思います。特許が外れたら誰でも気軽に検査が出来るようになるのでしょうか。だったらいいですね。日本でも健康保険が適用になる日が来るかもしれません。でも、特許できないとなったら、今後に遺伝子の研究をする会社が減ってしまうかも?というのが少々心配です。
2010/11/05(Fri) 17:35 | URL | alice | 【編集】
コメントありがとう。現在、BRCA遺伝子の検査料が高い点については、他の新しい検査、新しい医薬品同様、いろいろ論議されています。医学の進歩はめざましく、ヒトのゲノム配列解析には現在1万ドルかかるそうですが、2,3年以内に1000ドルになると予測されています。つまり、Myriadがたったふたつの遺伝子検査にチャージしている金額よりははるかに安い値段になるのです。しかし、訴訟社会のアメリカのことですから、特許訴訟が増えるのは確かですが、研究者の数が急に減ることはないと思うので、遺伝子研究をする会社が減ることはないのではないでしょうか。
2010/11/05(Fri) 19:37 | URL | 管理人 | 【編集】
私の時の費用は遺伝子コンサルテーション料が300ドル、検査料が3,000ドル。この検査でBRCA2ということが分かったので、その後に私の血縁が追加検査をする場合は、BRCA2の簡易検査のみ、費用は600−700ドルで済むと言われました。日本でも可能で、京都にある会社で、7万円程度(2年前)でBRCA2検査ができることを調べ、仲の良い従姉妹にはひととおりの情報を伝えたけれど、結局、血縁は誰も検査していない模様です。たぶん日本では乳癌遺伝子の認知が不足しているのだろと思います。
2010/11/06(Sat) 00:49 | URL | alice | 【編集】
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